ルーヴル美術館『みんなでメセナ!』 美術館イチゴの籠 シャルダン作 X Facebook はてブ Pocket LINE コピー 2024.01.092024.01.26 イチゴの籠 シャルダン 目次 ルーヴル美術館の新作?シャルダンの最後の静物画みんなでメセナ!参考記事(仏語)美術館ブログをもっと読む ルーヴル美術館の新作? いまルーヴル美術館が購入しようとしている作品があります。それはシャルダンのイチゴの籠の静物画です。実はこの絵、22年11月パリで行われたオークションで、アメリカの画廊経営者により落札されました。しかし美術大国がそんなことを容認するはずがありません。この静物画の巨匠の傑作が米国に行かないよう、フランスは国宝として差し押さました。そしてルーヴル美術館は落札額を支払い、新しいコレクションにしようとしています。 シャルダンの最後の静物画 シャルダン(1699-1779)の『イチゴの籠』は、彼の晩年の静物画です。絵の中央の籠に積まれた赤いイチゴの前には、水が入った透明なコップが見えます。その横には白いカーネーションが置いてあり茎の半分はテブールの外です。そして右手にはつるりと光るサクランボと光沢のない桃が、影を伴いながら置かれています。また背景に目を向けると右側に光が当たり、左側は対照的に影になってます。このことからロウソクを使って写生していたことがわかります。 絵の構成は、花、コップ、籠のモチーフの重なりからで奥行きを出しています。そして右手の果物で横の広がりを演出。また同系色の果物に注目すると、それぞれの皮の質感が違うことが分かります。最後に無地の背景に注目すると、光により劇的なコントラストができているんですね。シャルダンの静物画が多くの人の心を魅了するのは、隠れた些細なディテールのこだわりからなのでしょう。 みんなでメセナ! ルーヴル美術館は大企業やルーヴル友の会などからの寄付で、必要金額の3分の2を用意できたようです。あとは美術好きの庶民の力に頼るということで、毎年恒例の『みんなでメセナ!』の呼びかけをしています。興味のある方は下記のリンクからオンラインで寄付してください。ルーヴル美術館をご支援ください (louvre.fr) 参考記事(仏語) Tous Mécènes ! du Panier de fraises de Chardin – Espace presse du musée du Louvre 美術館ブログをもっと読む ポンピドゥーセンターのストライキ – パリの美術展めぐり (art-paris.net)