『デパートの誕生』パリ装飾美術館

20世紀初めデパートで売られていた玩具。陶器の人形や熊のぬいぐるみ パリ装飾美術館
20世紀初めデパートで売られていた玩具

パリ装飾美術館で開催されている『デパートの誕生』展に行ってきました。

今回の展覧会では700点の洋服、ポスター、装飾品、玩具などが展示される。これらの作品から1852年より、どのようにパリの商業が発展していったかが分かる。デパートは女性のための場所であり、モードの大衆化を推進した。そしてセールを考案し、子供向けのマーケティングや通信販売も始め、消費社会の先駆けとなっていった。

 

1925年頃デパートで販売されていたドレス(値札付き)
1925年頃デパートで販売されていたドレス(左胸に値札が付いている)

1850年以降ナポレオン三世のフランス近代化政策により、パリの街並みは変わる。そして鉄道が地方とパリを結び人の行き来も活発になった。またこの時代に増えたブルジョワ階級が百貨店の主な顧客となる。彼らはカフェに行き演劇の観賞をし、そして百貨店にも足を運ぶ。これらの商業施設はまさに女性の王国と呼ばれていた。

19世紀後半のデパートのポスター
19世紀後半のデパートのポスター

女性のモードだけでなく子供から大人まで

デパートといえば女性の洋服や装身具がメインである。しかし彼女たちの家族も商戦の的になる。12月になれば子供たちのクリスマスプレゼントが並ぶ。当時は陶器の人形や熊の縫いぐるみなどが人気があったようだ。そして家の装飾品や家具もデパートでそろえることができた。ギャラリーラファイエットではモーリス・デュフレーヌが家具や装飾品のデザインを担当していた。

デュフレーヌ作の夫婦の寝室1921年頃
デュフレーヌ作の夫婦の寝室1921年頃

店頭販売から通信販売まで

そしてパリのデパートは通信販売を提案するようになる。各百貨店は季節ごとにカタログを発行し、モードだけでなく家具やスポーツ用品まで提供する。下の写真は、今もパリにあるギャラリーラファイエット、ボンマルシェ、プランタンの1900年から1926年の通信販売用のカタログである。購入された商品は各デパートのギフトボックスに詰められ、馬車で各家庭に運ばれていた。

デパートの通信販売のカタログ 1900年から1926年
デパートの通信販売のカタログ 1900年から1926年

関連サイト

パリ装飾美術館の記事

パリ装飾美術館の情報

Musée des arts décoratifs (Paris)

『デパート誕生』展は2024年10月13日まで開催

開館時間 火曜から日曜11時から18時(チケット販売は17時15分まで)、木曜日は21時まで開館(チケット販売は20時15分まで)、閉館日 月曜日

住所 107, rue de Rivoli, 75001 Paris

電話  +33(0)1 44 55 57 50

地下鉄 1番線Palais Royal-Musée du Louvre駅またはTuileries駅、7番線または14番線Pyramides駅

バス 21番、27番、39番、68番、69番、72番、95番

駐車場 Carrousel du Louvre、rue des Pyramides

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