デパート誕生とナポレオン三世の近代化政策
パリ装飾美術館で開催されている『デパートの誕生』展に行ってきました。
今回の展覧会では700点の洋服、ポスター、装飾品、玩具などが展示される。当時売られていた商品を見ると、19世紀半ばからどのようにパリの商業が発展していったかが分かる。デパートは女性のための場所であり、モードの大衆化を推進した。そしてセールを考案し、子供向けのマーケティングや通信販売も始め、消費社会の先駆けとなっていった。
デパートの誕生は、ナポレオン三世のフランス近代化政策と深く関わりがある。19世紀半ば、ナポレオン三世はパリの街の都市整備を決行する。同時に鉄道の駅もでき地方とパリが結ばれ人々の行き来も活発になった。そしてこの近代化の時代に増えたブルジョワ階級が、百貨店の主な顧客となる。特に女性がこれらの商業施設に夢中になり、『女性の王国』と呼ばれていた。


19世紀のデパートが扱う商品
19世紀のデパートは、店を訪れる女性客の心に響く商品を店頭に並べていた。そして女性客の家族も商戦の的になっていた。12月になれば子供たちのクリスマスプレゼントが店頭に並ぶ。当時のおもちゃは、陶器の人形や熊の縫いぐるみなどが人気があった。そして家の装飾品や家具もデパートでそろえることができた。ギャラリーラファイエットではモーリス・デュフレーヌがデザインをした家具や装飾品を提供していた。


デパートの店頭販売と通信販売
そしてパリのデパートは通信販売を提案するようになる。各百貨店は季節ごとにカタログを発行し、モードだけでなく家具やスポーツ用品まで提供する。下の写真は、今もパリにあるギャラリーラファイエット、ボンマルシェ、プランタンの1900年から1926年の通信販売用のカタログである。購入された商品は各デパートのギフトボックスに詰められ、馬車で各家庭に運ばれていた。

参考サイト/パリ装飾美術館
パリ装飾美術館の記事
パリ装飾美術館の情報
Musée des arts décoratifs (Paris)
『デパート誕生』展は2024年10月13日まで開催
開館時間 火曜から日曜11時から18時(チケット販売は17時15分まで)、木曜日は21時まで開館(チケット販売は20時15分まで)、閉館日 月曜日
住所 107, rue de Rivoli, 75001 Paris
電話 +33(0)1 44 55 57 50
地下鉄 1番線Palais Royal-Musée du Louvre駅またはTuileries駅、7番線または14番線Pyramides駅
バス 21番、27番、39番、68番、69番、72番、95番
駐車場 Carrousel du Louvre、rue des Pyramides