パリの美術館の一番人気はルーヴル美術館
2024年パリの美術館で一番人気があった美術館はどこでしょうか。やはりモナリザのあるルーヴル美術館でした。パリで一番人気の美術館は870万人の入場者を記録しました。ちなみに2023年の入場者は890万人で少し減りました。またルーヴル美術館の最高記録は2018年の1020万人でした。
今年の1月28日にマクロン大統領がルーヴル美術館でスピーチしたことからも分かるように、ルーヴル美術館の来館者受入人数は限界に達しています。そのため混雑の原因となっているモナリザを独立させ、新たな展示室を設ける予定です。それに伴い来年からルーヴル美術館だけでなく、フランスの美術館の料金が値上がりする予定です。
今年ルーヴル美術館の入場者が減った原因はパリ・オリンピックにあるようです。モナリザで有名な美術館の7月、8月の入場者数は、23年の11%減で130万人でした。その原因は、オリンピックの開会式に伴い美術館の周辺が2週間通行規制の対象になったのと、開会式とその前日が休館だったことでした。別の機会に訪れることができる人たちは、この混雑する時期を避けていたと思われます。
その他パリで人気の美術館
パリの美術館でルーヴル美術館の次に人気なのがオルセー美術館です。印象派のコレクションで有名なオルセー美術館は、375万人の来館者数でした。そしてセーヌ川をはさんで向かいのオランジュリー美術館は119万人でした。どちらの美術館もルーヴル美術館と同様、来館者数が減少しています。(前年比マイナス3%)というのもこの二つの美術館もオリンピック開会式の規制区域に所在するからです。
そして3位はポンピドゥーセンターで320万人を記録しました。既に常設展はお休みに入っていますが、企画展も9月22日で終了します。2030年まで続く工事で休館になる前に多くの人が訪れました。この来館者数は前年度に比べ22%増えています。
2024年パリで人気の美術展
次に人気の美術展を見ていきましょう。1位はルイヴィトン財団美術館のマーク・ロスコ展でした。このアメリカ現代アーティストの回顧展は、85万人の来館者を記録します。2位はオルセー美術館のゴッホ展です。ゴッホが晩年過ごしたオーヴェル・シュル・オワーズの作品を集めた企画展でした。79万人の方がこの展覧会を見に来ました。これはオルセー美術館の開館以来の最高記録です。そして3位もオルセー美術館。印象派誕生150年を記念した『パリ1874年、印象派を生み出す』展には、72万人の鑑賞者が集まりました。この記録もパリの印象派美術館の歴代3位に輝きます。24年はオルセー美術館の企画展大当たりですね。
その他人気のあったパリの美術展は、
企画展に関しては、ルイヴィトン財団美術館はいつも人気です。やはりプライベートの美術館(というか資金のある会社)なので、潤沢な予算を組んで有名な作品をたくさん集められます。パリ郊外に広大な展示スペースを設け、大きな作品を沢山紹介できるのも魅力です。それに比べるとルーヴル美術館の24年の企画展は、地味な印象です。予算の問題でしょうか?しかし同じ国立美術館でも、オルセー美術館の企画展は大行列でした。それは印象派誕生150年ということもあり、特別に予算が割り当てられたのかもしれません。
参考資料
美術雑誌 “BeauxArts” ; Fréquentation : les musées parisiens au plus haut en 2024
ルーヴル美術館公式サイト ; 8,7 millions de visiteurs au Louvre en 2024 – Espace presse du musée du Louvre
オルセー美術館・オランジュリー美術館公式サイト ; 4 950 000 visiteurs pour l’Établissement public du musée d’Orsay et du musée de l’Orangerie en 2024 – Musée de l’Orangerie
ポンピドゥーセンター公式サイト ; CP_Frequentation_2024_au020125_def.pdf