ルノワールの愛をテーマにした作品展
パリのオルセー美術館で開催されている『ルノワールと愛』展に行ってっきました。この企画展は、おなじオルセー美術館のルノワールのデッサン展と同時開催しています。
ルノワールといえば愛らしい女の子や若い女性の肖像画が思い浮かびます。今回はルノワール作品でも、彼の主要なテーマでもあった『アムール(愛)』に焦点を絞りました。
そして副題には、『幸せな近代人』。というのも印象派が好んで描いた同時代のパリの人々にもフォーカスが当てられています。特にルノワールは、モンマルトルの丘で幸せそうにダンスをする人々、余暇を楽しむ若者を描いています。当時の若いパリジャン、庶民の幸せを描いた作品は当時、古典の主題と違い新鮮な印象を人々に与えていました。
幸せな近代パリジャン
ルノワールの絵は、見ているだけで幸せな気持ちになります。それは、彼が飾らないパリの庶民とその素朴な幸せを描いていったからでしょう。またルノワールは、そんな新しい時代の明るい空気や愛を、鮮やかな色遣いで表現することができる画家でもありました。
そして彼は日常生活の家族のひと時も、光り輝く野外風景のなかに収めています。下の『デュラン・リュエルの娘たち』は、印象派の画商デュラン・リュエルの娘たちの肖像画です。夏の真っ白なドレスを着た若い娘たちと、さわやかな緑のコントラストが清々しいです。
反対に『雨傘』は、黒い傘と暗い洋服を着た人々が集まっています。この作品は5年かけて仕上げられたので、絵のタッチが右と左では違います。まず右手のフラフープを持った女の子が初めに描かれ、左側のカゴを持った女性は後ほど仕上げられました。一枚の絵の中で、裕福な家族と質素な労働者階級の女性が一緒になっています。そしてカゴを持つ女性は、傘を持たず、その後ろから彼女の弱みに付け込むように話しかける男性が現れます。これもまた当時パリでよく見かける、光景だったのでしょう。
ルノワールのデッサンが再評価
印象派の画家の多くは、青空の下にキャンバスを立て直接絵を描きます。というのも準備のためのデッサンを描いていると日が傾いてしまい、絵の印象が変わってしまうからです。その場にある印象を描きとるには、直ぐに作品に取り掛からなければなりません。
下の『ピン飾りの帽子』は、リトグラフィーですが、この作品は、ルノワールのデッサンから作られました。デッサンから白黒のリトグラフィーを刷りパステルで色を付けしました。またモデルの少女たちは、印象派の女流画家ベルト・モリゾの娘、ジュリーとその従妹と伝えられています。
そして髪結のための習作は、赤いサンギーヌで、楯145㎝、横103㎝のほぼ等身大です。裸の女性の腕や足の丸みから立体感が伝わってきます。この作品は後にピカソが買い取り、1920年代の巨大な浴女を描いた作品に影響を与えました。
ルノワールのデッサンのみの企画展は今回が初めてだそうです。展示作品の中には、完成作とほぼ同じ大きさのデッサンも多くあり、作品の構想に時間をかけていたのが伝わってきます。また印象派とは別のルノワールの古典的な側面が感じられる企画展でした。
参考サイト/オルセー美術館
印象派の記事
オルセー美術館の情報
Musée d’Orsay
『ルノワール』展は26年7月19日まで開催されています。同時開催のルノワールのデッサン展は7月5日まで
開館時間 火曜から日曜9時30分から18時、木曜日は21時45分まで開館、月曜休館日
住所 Esplanade Valéry Giscard d’Estaing 75007 Paris
料金 大人(18歳以上)日時指定予約16€、大人当日券14€、18歳未満無料、
地下鉄 12番線Solférino駅、RER C線Musée d’Orsay駅
バス 63番、68番、69番、73番、83番、84番、87番、94番
駐車場 Carrousel du Louvre、Bac Montalembert

