『イリス・ヴァン・ヘルペン』パリ装飾美術館

ワンピース、イリスヴァンヘルペン パリ装飾美術館
Ekstasis、イリス・ヴァン・ヘルペン展、パリ装飾美術館
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パリ装飾美術館で開催されている、オートクチュールデザイナーのイリス・ヴァン・ヘルペン展に行ってきました。

イリス・ヴァン・ヘルペンは1984年オランダで生まれる。彼女は若いころ、クラシックとコンテンポラリーダンサーとして活躍した。その後デザインの勉強のため、アレキサンダー・マックイーンやクラウディ・ヨングストラの元で経験を積む。そして2010年、パリのオートクチュール組合に加入する。

彼女の作品は、モード、現代アート、デザイン、化学などが絡み合っている。そして私たちの体が、空間の中でどのような意味を持つのかを考える。また彼女の作品を通し、この展覧会では着る人のアイデンティティーやモードの未来についても語られている。

今回の展覧会ではイリス・ヴァン・ヘルペンの100点のドレスと現代アート、生物の標本などを組み合わせ、彼女の世界観を解き明かす。

オートクチュールドレス、イリス・ヴァン・ヘルペン
Frozen Falls 
オートクチュールドレス、イリス・ヴァン・ヘルペン
cathedral

水と生命をモードに

イリス・ヴァン・ヘルペンの作品では、雨の水滴から津波が現れ、調和がカオスになる。それらは、水泡、固められた水の姿をかりて私たちに語り掛ける。

水をテーマにした作品はその神秘を、そして水が形を持たない事を物語る。ここで使われている技術は、吹きガラス、プレキシグラス、レーザーカッター、墨流しなどである。

また2020年は海の生き物をテーマにした作品を発表する。そのなかでもクラゲは彼女に長い間インスピレーションを与え続けている。海の単体生物など人々が目にしないものをアートで表現し、これらの存在を可視化している。そしてそこから環境保護も考えさせるのが彼女の作品である。

オートクチュールドレス、イリス・ヴァン・ヘルペン
Aeriform
オートクチュールドレス、イリス・ヴァン・ヘルペン
Mano Maya

命の神秘とモード

イリス・ヴァン・ヘルペンの生命への探求は、目に見えない小さな世界にまで及ぶ。また彼女は、19世紀ドイツの生物学者エルネスト・ヘッケルの図鑑を熱心に研究している。そしてアートと科学を融合し、地上の生き物と海の生き物の骨格とテキスチャーを作品に取り入れる。またこのドレスは、体と服がふれあいを繰り返すうちに、徐々に着ている人と一体化していく。

彼女は、ヒエロニムス・ボスの故郷の近くで生まれたので、彼の作品に描かれている不思議な生きものを観察しながら大きくなった。その結果、彼女は異なる要素を組み合わせたり、融合させたりする能力を身に着ける。そして人間や動物の本質への疑問を持ち続けながら、創作を続ける。

これらすべてを表現するために彼女は、3Dプリンターなどの最新技術を使用している。彼女の創作エネルギーもそうだが、その技術も従来のモードの制作方法に留まらず未来に向かって進んでいる。

オートクチュールドレス、イリス・ヴァン・ヘルペン
Heliosphere
オートクチュールドレス、イリス・ヴァン・ヘルペン
Oceanix

参考サイト/パリ装飾美術館

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パリ装飾美術館の情報

Musée des arts décoratifs (Paris)

開館時間 火曜から日曜11時から18時(チケット販売は17時15分まで)、木曜日は21時まで開館(チケット販売は20時15分まで)、閉館日 月曜日

住所 107, rue de Rivoli, 75001 Paris

電話  +33(0)1 44 55 57 50

地下鉄 1番線Palais Royal-Musée du Louvre駅またはTuileries駅、7番線または14番線Pyramides駅

バス 21番、27番、39番、68番、69番、72番、95番

駐車場 Carrousel du Louvre、rue des Pyramides

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