『髪と体毛』パリ装飾美術館

パリ装飾美術館、『髪と体毛』展の作品。キツネの姿のウイッグ パリ装飾美術館
キツネ、小西神士、ウイッグ
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パリの装飾美術館で開催されている『髪と体毛』展に行ってきました。この展覧会は2023年の4月5日から9月の17日まで開催されていました。

今回の展覧会では15世紀から現在までのヘアデザイン、体毛をテーマにした600点以上の作品が集められた。ヘアデザイナーの仕事は、18世紀のマリーアントワネットの時代に知られるようになる。オナール・アレクシス・オーティエ(1751年‐1820年)はルイ16世の妃のお気に入りの髪結師であった。そして第二次世界大戦後は、アレクサンドル・ドゥ ・パリがオートクチュールのヘアデザイナーとして活躍する。

そしてオートクチュールにて髪はヘアセットだけでなく、素材として洋服に使われるようにもなる。

Armor No5-Jeanne Vicerial-2021
Armor No5-Jeanne Vicerial-2021

髪で自己主張

女性の髪は15世紀まではベールに覆われていた。それは聖パウロの教えによるものであった。しかしそれ以降、徐々に女性は髪を見せるようになる。そして上層階級では、手の込んだヘアスタイルがお披露目されるようになる。

そして1770年頃になると、頭の上に盛り上がるような髪型が流行る。その後19世紀になると女性たちは、古代ギリシア女性の髪からインスタレーションを受けるようになった。それは、「キリンスタイル」とか「ポンパドゥールスタイル」と名付けられる。興味のある方は、パリ装飾美術館のYouTubeチャンネルで、この時代のヘアスタイルの再現ビデオを見ることができる。

体毛については、1520年頃からヒゲは勇気のしるしとみなされるようになる。そしてこの時代の君主、フランス王フランソワ1世、イングランド国王ヘンリー8世カール5世(カルロス5世、神聖ローマ皇帝、スペイン王)は、ヒゲをたくわえるようになる。

髪をセットすることからウイッグへ

カツラの歴史をたどると、有名なのはやはりルイ14世のパーマのかかったロングヘアーではないだろうか。彼は若いころから薄毛だったのでカツラを被るようになる。そして宮廷の貴族にもカツラを義務づけた。また20世紀ではPOPアートの王様アンディ・ウォーホルも。同じ理由でウイッグをつけていた。

しかし現在ウイッグは、ファッションショーで使われるアクセサリーとしても知られる。複雑で時間のかかるセットは、モデルにとってウイッグのほうが時間の短縮になる。

20世紀後半からヘアーデザイナーは、ファッションショウでその表現力を発揮する。そこで見られる高度なヘアセット、ウイッグは、芸術品と認識される。それは髪結師と呼ばれた人々が、想像力と高い技術が必要となる、高度な職業であることを証明する。

参考サイト/パリ装飾美術館

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パリ装飾美術館の情報

Musée des arts décoratifs (Paris)

開館時間 火曜から日曜11時から18時(チケット販売は17時15分まで)、木曜日は21時まで開館(チケット販売は20時15分まで)、閉館日 月曜日

住所 107, rue de Rivoli, 75001 Paris

電話  +33(0)1 44 55 57 50

地下鉄 1番線Palais Royal-Musée du Louvre駅またはTuileries駅、7番線または14番線Pyramides駅

バス 21番、27番、39番、68番、69番、72番、95番

駐車場 Carrousel du Louvre、rue des Pyramides

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