オランジュリー美術館美術館で開催されていた『モディリアーニと画商ポール・ギヨーム』展に行ってきました。
ユダヤ系イタリア人の画家アメデオ・モディリアーニ(1884年‐は1920年)は1906年にパリにやってきた。そして同年ルーマニア出身の彫刻家、コンスタンティン・ブランクシーに出会い彫刻を始める。彼は1914年まで彫刻制作に専念する。しかしこの年からまた絵画に転向し、亡くなるまで人物像のみを描いた。
1914年、詩人マックス・ジャコブの紹介で、モディリアーニは画商ポール・ギヨームと出会う。当時若きコレクショナーであったギヨームはモディリアーニの画商となる。また詩人ギヨーム・アポリネールと画家との文通でもそのことが明記されている。


モディリアーニによる画商ギヨームの肖像画
モディリアーニは1915年から16年にかけて画商ギヨームの肖像画を4点制作した。その初めの作品がオランジュリー美術館に保管されている。この肖像画は、当時23歳の若き画商を描いたものである。
ここでの画商は、ネクタイを締め手袋をはめて描かれている。というのも画家は、モデルを前衛芸術の先見の目をもつパイロットとして描いている。そして絵の中には« Novo Pilota (新しいパイロット)»という言葉が刻まれている。この言葉から、画商がこの絵の作者に大きな期待をしていることがわかる。

オランジュリー美術館のモディリアーニ・コレクション
オランジュリー美術館には5点のモディリアーニの絵画が収蔵されている。それに加え、100点以上の絵画、50点ほどのデザイン、10点ほどの彫刻が画商ギヨームの手から売却された。
この数字は、モディリアーニの作品を広めるために果たした、ギヨームの功績と好みを語っている。また画商の趣味は、彼の邸宅に飾られているモディリアーニの作品の数によっても証明される。それらは当時の文化人、マックス・ジャコブやジャン・コクトーなどの肖像画であった。それに加え無名な女性モデル、画家と生活を共にした女性の肖像画も含まれていた。
画家ギヨームは、モディリアーニの才能を最初に理解し支えていった。そしてその判断は正しく、ギヨームは画商としても成功を収める。またギヨーム・コレクションの肖像画からは、この二人の交友関係や当時の文化的背景が見えくる。このことからも多くの芸術家との交流を経て、彼の作品ができたことが理解できる。


参考サイト/オランジュリー美術館
ブランクーシの記事
オランジュリー美術館の情報
Musée de l’Orangerie
開館時間 月、水、木、金、土、日曜9時から18時、金曜日は21時まで開館、閉館日 火曜
料金 大人日時指定予約(18歳以上)12.50€、18歳以下の子供1人と大人1人 10ユーロ、金曜18時から21時まで 10ユーロ、18歳未満無料(身分証明書提示必要)
住所 Jardin des Tuileries, Place de la Concorde (côté Seine) 75001 Paris
地下鉄 1、8、12番線 Concorde駅