オルセー美術館で開催されていた『パステル画』展に行ってきました。
今回の展覧会では、バルビゾン派のジャン・フランソワ・ミレー(1814年‐1875年)から19世紀前半のパステル画の作品が集められた。そして印象派、象徴主義、ナビ派の作品も多く展示されている。
オルセー美術館は467点(2020年時点)のパステル画コレクションがある。その中でもエドガー・ドガ(1834年-1917年)やオディロン・ルドン(1840年-1916年)はコレクションの中核である。

パステル画の特徴
パステル画は油絵よりも手軽に制作できるので、習作などに使われてきた。この画材の便利なところは、カンヴァスや画紙に直接描き込めることだ。そして乾かす時間が少しで済むことである。しかし光に弱いという欠点もある。また運搬の際に顔料が落ちる危険もある。そのため長期の展示や、貸し出しには向いていない。
パステル画のコレクションを沢山持っているオルセー美術館でも、前回のパステル画の企画展は2009年にまでさかのぼる。
今回の展覧会ではオルセー美術館の所蔵品が多く展示されており、ルノワールやカイユボットのパステル画を見ることができた。


バルビゾン派、印象派から象徴主義、ナビ派までのパステル画
パステル画は、その便利さから多くのアーティストに愛されてきた。そして時代を問わず風景画、静物画、宗教画など多彩な作品が作られた。
印象派のアルマン・ギヨマン(1841年‐1927年)とナビ派のエドゥアール・ヴュイヤール(1868年1940年)は、室内の様子をパステルで描き上げる。同じ主題でも一方は光あふれる室内で、もう一方は雑多な日常生活の一部を見ている感じだ。
そして象徴主義のリュシアン・レヴィ=デュルメール(1865年‐1953年)はミステリアスな人物像や神秘的な風景画を制作する。
またナビ派のリップル・ローナイ・ヨージェフ(1861年‐1927年)も神秘的な夜景を残している。
手軽な画材だが本格的な表現方法も可能であることを、これらの作品が証明してくれている。










参考サイト/オルセー美術館
印象派の記事
オルセー美術館の情報
Musée d’Orsay
開館時間 火曜から日曜9時30分から18時、木曜日は21時45分まで開館、閉館日 月曜日
住所 Esplanade Valéry Giscard d’Estaing 75007 Paris
料金 大人(18歳以上)日時指定予約16€、大人当日券14€、18歳未満無料、
地下鉄 12番線Solférino駅、RER C線Musée d’Orsay駅
バス 63番、68番、69番、73番、83番、84番、87番、94番
駐車場 Carrousel du Louvre、Bac Montalembert