パリのリュクサンブール美術館で開催されている『みんなフェルナン・レジェ(Tous Léger !)』展に行ってきました。
フェルナン・レジェは1881年に生まれ、1955年に亡くなったフランスの芸術家である。彼は1907年サロン・ドトーンヌのセザンヌ回顧展で衝撃を受け、画風を変えていく。そして同時代のピカソやブラックからも影響を受け、キュビズムの画法を作品に取り入れる。そのためレジェが描く人物像はどこか幾何学的である。また彼は絵画だけではなく、セラミックの作品や舞台装飾も担当する多彩なアーティストであった。
今回の展覧会では、この多作な芸術家から影響を受けたアーティストの作品を紹介する。主に南仏コートダジュールの美術館から、100点近くの作品を取り寄せた。その中には、イヴ・クライン、ニキ・ド・サンファル、アルマン、セザールなど絵画、彫刻、リトグラフィーなど多様な作品を見ることができる。

フェルナン・レジェが惹かれた世界
レジェはモンマルトルの丘のふもとにあるモデラノ・サーカスの大ファンでよく見に行っていた。そこでは、道化師、アクロバット、ジャグリングなどパフォーマーの体はまさに機械の様に扱われたり装飾の一部となる。
彼は、活発に体を動かす人物や、機械、自転車などを主題とする。そしてフランスの彫刻家、画家のニキ・ド・サンファルもバレーボールをする女性、サーカス団の女性または自転車に乗った女性などレジェと同じテーマで、鮮やかな色を使用し作品を作った。彼女の『ナナ(女性像)』シリーズは特にレジェからの影響を受けている。


フェルナン・レジェの鮮やかな世界
今回は南仏の美術館と提携して企画したせいか、色鮮やかな色合いの作品が多く集まった。またフェルナン・レジェ美術館も南仏ニース近郊にある。
展示の最後にニキ・ド・サンファルが作ったマイリス・デイヴィスの彫刻がある。マイリス・デイヴィスはアメリカのジャズ、トランペット奏者。この彫刻は、ニースのプロムナード・デ・ザングレ(イギリス人の遊歩道)のネグレスコホテル前に2002年に設置された。そしてトランペット奏者の後ろに見える絵は、フェルナン・レジェの壁画のプロジェクトで1951年に描かれた。ニキ・ド・サンファルはレジェのこの抽象画からデイヴィスのジャケットの着想を得た。どちらとも明るい色彩で、見ているだけでうきうきした気持ちになってくる。彼らはアートや美しいものが、すべての人に幸せをとどけるために、人々の生活を埋め尽くさなければならないと考えていた。

参考サイト
リュクサンブール美術館の記事
リュクサンブール美術館の情報
Musée du Luxembourg
『みんなフェルナン・レジェ』展は7月の20日まで開催されています
開館時間 月曜から日曜10時30分から19時、月曜日は22時まで開館(チケット販売は45分前まで)、5月1日閉館
住所 19 Rue de Vaugirard 75006 Paris
電話 01 40 13 62 00
料金 大人14€(予約は+1,50€)、16歳から25歳まで2人で10€(月から金曜の16時から)、16歳未満無料、Place aux Jeunes!チケット(26歳未満、月曜から金曜無料、インターネット予約のみMusée du Luxembourg – Paris (museeduluxembourg.fr))
地下鉄 4番線Saint Sulpice駅、10番線Mabillon、12番線Rennes、RER B線 Luxembourg
バス 58、 84、89番 Musée du Luxembourg、63、70、86、96番Église Saint Sulpice
駐車場 Marché Saint-Germain (rue Lobineau入口)、Saint Sulpice